「この世界をより良くするために」 その理念を体現し、紡ぎ、継承していく。 NPO法人アイセック・ジャパンの想いとは?

インタビュー

18年1月05日

126の国と地域で活動する学生組織AIESECの日本支部として、海外インターンシップ事業を運営するNPO法人アイセック・ジャパン。
55年の歴史を誇り、国内25の大学委員会が活動。国内の学生や法人に対して、海外インターンシッププログラムへの参加を提供するという、国内最大級の規模を持つ同団体です。

今回はそんなアイセック・ジャパンの2018年度代表・副代表の牧原宙哉さんと齋木優輔さんにお話を伺ってみました。

◆お2人とも、大学に入るまでは、特に国際活動に興味があった訳ではないそうですね。ずばりアイセックに入った理由は何でしょう?

牧原さん「僕の場合は、新歓説明会でアイセックの先輩のプレゼンを見て、自分もこんな風になりたいと思ったんです。
企業との関わり、社会との関わりについて、堂々と語る姿が本当に恰好よくて。もともと高校時代が勉強漬けの毎日で、大学に入ってからは勉強以外の軸が欲しいと思っていた矢先だったのでこれだ!と思いました。」


牧原さん

   

齋木さん「あ、僕もマキハラさんと理由は似てるかも。高校時代は非常に均一化された環境で育って、自分が本気で何かに打ち込んだ経験がなかったんです(部活はやっていましたが)。
そういった環境から卒業して、せっかく大学に入った訳だから、何か熱中できる経験に出会いたい!そんな想いでアイセックに入りました。」


斉木さん

◆なるほど。新しい自分と出会うためにアイセックに入った訳ですね。 具体的にどんな活動をされているんですか?

牧原さん「アイセックの行っている業務は大きく分けて、海外からのインターン学生の日本への【受け入れ】と、国内の学生を海外に送る【送り出し】の2つがあります。
僕は受け入れを担当していて、海外のインターン生を受け入れてくださる法人企業様を見つけるために、1年の時はテレアポ・メルアポを繰り返していました(笑)。
今は主に組織運営の中心的な役割となる業務を行っています。」

◆学生時代から法人営業を担当…ですか。これ以上ない社会経験ですね。
齋木さんの方はいかがですか?

齋木さん「僕は送り出しと受け入れの両方に関わりつつ、インターンシッププログラムの運営・企画のコンテンツ作成に携わっています。」

◆企画!それはまた面白そうですね。例えばどんな企画を?

齋木さん「最近だと、京都の伝統産業を海外インターンシップを通して世界へ向けて更に強く発信していく企画ですね。
僕は京都在住なんですが、京都の地域課題として、もっと海外からのインバウンドを増やしていこうというものがあるんです。
その課題を解決するために、地域の方々と協力して、多様な活動をしています。」

◆地域の課題を解決…ですか。さすがアイセックといった感じですね]

齋木さん「そうなんです。インターンシップをただ運営するだけじゃなく、社会課題を解決するのが団体の理念。他にも、Teach For Japan様と提携した教育を変革するリーダーの育成を目指すEducation Innovator Programme、アクセンチュア様と提携した女性リーダー育成を目指すJapan Women’s Initiatives、世代を創る若者の力で、100年先まで続く農業をの実現を目指すアグリノなど、様々なプロジェクトを運営しています。
海外インターンシップを通して、社会の問題とどう関わっていくプログラムを作れるか?という考えが、企画の軸となっています。」

◆理念に沿ったものであれば、活動に制限はないということですね!実際にアイセックに入って、様々な活動をしてこられた訳ですが、1番得た大きなものは何ですか?]

牧原さん「規模が大きな分、同世代はもちろんOB・ OGとの交流も多いので、 自分の人生の目標になる方々と会えたことが大きな財産ですね。
でもそれ以上に良かったのが、伝統の継承を感じられる喜びを得たことです。」

◆伝統の継承を肌で感じられる?

牧原さん「[平和で人々の可能性が実現される社会]という理念の大枠があり、 その中で具体的にどういう社会を実現したいか?
その答えを出すために55年の歴史の中で、その時に所属していたメンバー達が試行錯誤してきた訳です。それは組織の中で脈々と流れる伝統と歴史となりますよね。
そして自分がこの4年間でやってきた行動がその歴史に加わり、次世代に受け継がれていく…そんな流れを体感できるのが本当に好きなんです。」

齋木さん「僕はこの活動を通して、多様な価値観と出会え、成長できたことですね。 ひとつの物差しで測られる高校時代と違って、ここには本当に色んな人がいる。
例えばシンガポールにずっと住んでいて、日本で育った人と全く違う価値観に触れたり。地域の方や若い起業家の方と提携した際は、自分が今まで知りもしなかった経験をさせて頂いたり。
今度は自分をここまで成長させてもらったことを、社会に還元したい。
就職も視野に入れる学年になった今、そんな風に考えるようになりました。」

◆もうすでに、そのあたりの社会人よりもしっかりされている気がしますが(笑)
では最後に、このインタビューを読まれている学生さんに何か一言貰っても良いですか?

牧原さん「難しいですね…う~ん、僕からみなさんにお伝えしたいのは、直観に従う、ということですかね。
自分が心動いたものは、とりあえず飛びついてみる。そして選んだ選択肢を正解にする。それが正解になるようにする。そんな学生生活をぜひ送ってみませんか?」

齋木さん「学生の内だからこそ、あらゆる選択についてのリスクが少ない。だからこそ自分が熱中できる経験を見つけて取り組んで欲しいです。
僕の場合は、アイセックに入って夢中になれるものと出会えた。あなたも熱中して打ち込める大学4年間にしていきましょう!」

Written by MATSU