学生のうちに観てほしい映画「Stand by Me」

映画

17年6月14日

あらすじ

舞台はオレゴン州のキャッスルロックという田舎町。茶色い土がむき出しになった土地、線路、家。どこか乾いた色をしたその場所が、物語の主となる4人の少年たちが住む町だった。4人の名前は、ゴーディ、クリス、テディ、バーン。彼らはいつも秘密の小屋に集まっては、一緒にタバコを吸ったり、トランプをしたりして遊んでいる仲間である。

ある日、バーンが不良グループの兄たちの会話を盗み聞きしてしまい、3日前から行方不明になっている少年が、森の奥で列車にはねられ、そのまま死体が放置されているという事実を知る。それをゴーディたちに話すと「死体を見つければ英雄になれる」と盛り上がり、死体探しの旅に出ることになる。そして、彼らは死体を見つけるために線路に沿って歩き出す。

はるぴーより

「Stand by Me」は、1986年公開のアメリカ映画です。そして、今でも多くの人々に愛されている名作です。過激なアクションでも、ホラーでも、ラブロマンスでもない、4人の少年たちにとって少し特別だった夏の日について描いたシンプルな映画。しかし、この映画には、どこか胸をつかまれるような切なさと、かなしさと、はかなさがあります。

少年たちは、それぞれ様々なものを抱えています。語り手であるゴーディは、突然の兄の事故死と自分に全く興味を示さない両親によって愛に飢えていて、クリスは、父親や兄の素行が悪いため、周りから不良のレッテルを貼られています。そしてテディは、イカレた父親の息子だと噂されており、バーンもまた不良の兄がいます。しかし、彼ら自身はまだ12歳で、いくら大人ぶってみてもまだまだ子どもです。彼らは彼らなりに、自分の立場に苦しみ、傷つき、もがいて生きています。

皆さんは、大人は汚いと思ったことはありませんか?大人はずるくて、冷たくて、子どものことをわかってくれない、でも、認められたい、理解してほしいと思ったこと、きっと誰しも一度はあると思います。この映画はただの冒険映画ではありません。

乾いた田舎町。単調な毎日。子供なりの、葛藤や苦しみ。
親から愛されたい、親を馬鹿にされたくない。
自分のことを信じてほしい、だから、英雄になりたい。

少年時代最後の夏。4人は子どもなりに認められたくて、こんな想いを抱き、しがみついて、あがいていたのではないでしょうか。この時彼らがずっと胸に抱いていたであろう、せつなさやかなしさ、苦しさは、子どもにしかわかりません。

ゴーディは、死体探しの旅の途中、“Everything is there around us”と言います。彼らにとってすべてはその町にあって、すべては確かに彼らの周りにあったのです。それが、少年だった4人にとっての「今」でした。この旅は、「今」を壊したい彼らのあがきであると同時に、外の世界を見てみたい、いつもと違う日常に触れてみたい、といった、子どもらしい単純な興味から生まれたものでもあったのかもしれません。

自分の住んでいる地域とそこに住む人々だけが、世界の全てだった子ども時代。この映画を観ていると、そんな時代のことが頭に浮かびます。学生のうちにこの映画を観て、自分の子ども時代のことを改めて振り返ってみませんか?どうしても忘れがちになってしまう子どもらしい気持ちを思い出して、友達のこと、家族のこと、自分のことをもう一度考えてみましょう。いろいろな気持ちをリセットして自分を見つめなおすことで、自己分析ができ、自分がどういう人間だったか、これからどうなりたいか考えることができます。ぜひ「Stand by Me」を観て、改めて自分について考えてみてください。その時間は必ず、あなたにとって貴重なものとなります。

written by はるぴー

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